本書は、日本地域資源学会に参画する目利きが、“幸せ”というまなざしから、地域資源を丹念にひろい集め、つづった「未来風土記」である。自然に美をみいだし、ひろい心を持ち、ありのままに生きている名も知れぬ人々の営みに光をあて、そこから学ぶべき未来のヒントを生活物語として描きあげた著作である。
人を結びつける道徳や絆、土地への愛着、経験や知恵がいまも生き続けている「ふるさと」の物語には、コミュニティ・ビジネス、サスティナブル、ロハス、コンパクト・シティーなどの未来デザインのヒントが層をなして埋め込まれていると述べている。
著者は、これまでの発想を逆転させ、まちづくりや人づくりに「ふるさとのかたち」を組み込む「ふるさとモデル」を提唱している。「ふるさとモデル」により、それぞれのコミュニティごと、風土を活かした、持続的で多様な個性豊かな暮らしと新しい経済が華ひらき、日本列島そのものが「幸せミュージアム」となって生まれ変わると予測している。

日本地域資源学会選定
ジャパンコンテンツ

①生活物語（白神山地と十二湖）
②百年先の景観づくり（金山町百年運動）
③家族を結ぶ家のかたち（唐桑御殿）
④暮らしのリズム（昭和村のからむし）
⑤祭りをつくる心意気と段取り（烏山の山あげ）
⑥我が家の学芸員（真壁の町わり）
⑦みんなが薬剤師（伊吹山春日）
⑧まなびによる人づくり（夕日のミュージアム）
⑨家族の絆とモノづくり（小鹿田焼）

日本地域資源学会監修

塚原正彦編著

日本地域社会研究所より刊行