美しい本をデザインするプロジェクト

みんなの夢の扉を開く

■本は、夢を育み、人と人を結ぶミュージアム

博物館、図書館、そして本は、人類最初の学術都市アレクサンドリアに創設されたムセイオンから誕生しました。見知らぬ土地で出あった感動を記録し、人と人を結びつけるミュージアムとして本は、人類の文化の創造に貢献してきました。

■夢の扉を開く美しくて、楽しい本をデザインする

私たち日本地域資源学会は、会員の皆様の研究成果をより発展させ、ふるさとの宝物をテーマに、誰もがみて楽しむことができ、人と人を結ぶ新しいスタイルの本をデザイン、次々に刊行します。

新刊紹介

『世界の図書館』

夢を育む知のミュージアム

監修:塚原 正彦 
著者:柳 鍾珌(ユ・ジョンピル)
ソウル市冠岳区長、前大韓民国国会図書館長

■図書館を核にした社会デザイナーが描いた知の冒険
著者である柳鍾珌は、執筆当時大韓民国国会図書館長であった。現在はソウル特別市冠岳区長として、まちなかに、いつでも、どこでも、学びのきっかけをはたらきかける「小さな図書館」をたくさんつくり、格差と貧困を解消するプロジェクトに取り組んでいる。
著者は、ソウル大学で哲学を専攻し、たくさんの時間をさいて、偉大な思想と真理に酔いしれ、本に夢中になった。卒業後には記者という肩書きを持ち、時間があれば興味のおもねくままにあらゆる場所を訪ね歩き、文学と思想書を耽読し、古書店をめぐり、雑誌の創刊号を収集した。マスコミの世界でオピニオンリーダーとして活躍後、大韓民国国会図書館の館長に就任している。

■図書館から歴史がみえる
著者は、世界の図書館の視察と交流を重ね、図書館を起点にした次の社会を構想するためのビジョンに気づく。本書は、世界の図書館をめぐりそこでの知の出あいを糸口に、それを未来デザインに昇華する思考のプロセスを執筆した力作である。本書の旅は、人類最初のミュージアムであるエジプト・アレクサンドリア図書館を起点に、ヨーロッパ、世界最大のアメリカの図書館、アルゼンチン、ブラジルを経て、韓半島へと向かい、済州島の小さな風の図書館で終わりをとげる。

■図書館から未来がみえる
「消滅したアレクサンドリア図書館の謎」「レーニンと毛沢東が行きつけた図書館」「ロシアにあるヴォルテールの部屋の謎」「公共図書館を何よりも大事にするニューヨーク市民の志」など人類の歴史を育んできた誰もが知りたい図書館と本の物語を楽しく、そして興味深く私たちに示してくれる。私たちは、著者とともに体験する物語の旅をとおして、いままで見失っていた図書館が持つ未来へのチカラを再発見できる。

塚原正彦監修、株式会社ジェイテーシーアイ翻訳。
A5判 484ページ、定価は2500円(税別)。
一般社団法人日本地域資源研究所より、2016年9月に刊行。