その起源はムセイオン
人類最初の学術都市アレクサンドリア
ミュージアムの起源は、世界遠征をなしとげたアレクサンダー大王が拓いた学術首都アレクサンドリアに創設されたムセイオンにさかのぼります。
古代史のスーパーヒーローが愛した場
ムセイオンでは、クレオパトラ、アントニウスなど古代社会のヒーローたちが知をみがきあげ、ここから世界史がつくられます。ここでは、アルキメデス、エラトステネス、エウクレデイスなどが知をみがきあげ、自然科学を創造します。そして、ムセイオンを舞台に、東洋と西洋が結ばれたヘレニズム文化が誕生します。
ミュージアムの起源をさかのぼることで、博物館と図書館に現代の線引きはなかったことがみえてきます。歴史や資料、美術館、動物園、水族館などの区分けもなったことがみえてきます。
近代の科学と社会の源流
近代科学が誕生した舞台
15世紀になると、地球大交流時代の幕があきます。世界の不思議や感動を探すプラントハンターという仕事がうまれ、彼らが持ち寄ったそれを記録したり、編集したすることで、神の設計図を解き明かす科学の思想が誕生します。大英博物館(The Britsh Museum)を舞台にした知の交流をきっかけ誕生した思想のひとつが、生命の進化の歴史を体系化することにつながるチャルズダーウィンの「自然選択説」です。
社会思想と革命の苗床
18世紀末の大英博物館リーディングルーム(大英博物館図書館)を舞台に共産主義が誕生しました。世界中の不思議や感動が持ち寄られ、それが記録された本が閲覧できたこの部屋を舞台で、マルクスとエンゲルスが出あい、継続的な交流が行われ、共産革命が誕生しました。それと同じ時代に、ガンジー、レーニン、わが国でも夏目漱石、南方熊楠、この部屋に通いつめています。ミュージアムは、近代の社会と文化の苗床となってきました。
1973年に大英図書館(The Britsh Library)が誕生するまでイギリスでは、博物館と図書館の線引きはありませんでした。ミュージアムの起源にふれてみれば、現在日本人が多用している美術館という日本語の英訳は存在しないこともみえてきます。
産業と文化を創造する魔法の空間
博覧会と百貨店の誕生
世界の七つの海を支配した大英帝国は、1851年に世界中から不思議や夢を集め、さらには収集したコレクションと暮らしやそして新しい産業を縁結びする博覧会を開催します。そこでは、未来の暮らしが展示され、新しい交流がひき起こされます。
そこで得た資金を活用し、その跡地に世界で初めてのデザインミュージアムV&Aと大英自然史博物館が創設されました。それが起点になり、パリに人類の歴史上はじめての百貨店が誕生します。
カフェの起源
18世紀のイギリスでは、世界中を冒険したプラントハンターたちが持ち寄ったコレクションをきっかにまち中に小さな見せ物小屋やミュージアムが誕生しました。そのような小さなミュージアムで繰りひろげられた交流はカフェ、見せる商業文化を誕生させることになります。そして、カフェを舞台に、新聞、小説、保険などの生活文化が次々に誕生します。
18世紀のミュージアムは、展示やコミュニケーションの昨日と役割があるミュージアムは、人々の暮らしと結びつき、大衆文化を創造する夢の空間でした。
みんなのミュージアムの誕生
夢を育み未来をデザインする魔法
18世紀のイギリスでは、世界中を冒険したプラントハンターたちが持ち寄ったコレクションをきっかにまち中に小さなミュージアムが誕生しました。小さなミュージアムで繰りひろげられた交流はカフェを誕生させることになりました。博物館が歴史、自然、美術などに専門分化し、図書館と区別されるようになったのは、産業が社会の隅々まですすんだ20世紀の特異な現象にすぎません。
ここまで述べてきた歴史のまなざしを持った私たちは、ひろい視野で、みんなの夢が集まり、夢を育む活動がくりひろげられる舞台やその活動をミュージアムと定義します。
みんなの夢を育む
食べる、装う、しつらえるなどの人々の暮らしにまなざしを注ぎこめば、ふるさとには、暮らしを豊かにするたくさんの宝物があることがみえてきます。それを語ることができる人がたくさんいることもみえてきます。そしてさらに、それぞれの家々には、一人ひとりにとって夢を探すきっかけを与えたかけがえのない本があります。それらは、一人ひとりが生きる力をデザインするために、そのチカラをみがきあげるために大きなチカラとなります。
私たちは、ミュージアムの魅力を人々に知ってもらう活動を展開しています。未来への志をもったミュージアムを認証、評価し、そのチカラを社会にいかす活動を展開しています。ミュージアムをまち中にたくさんつくるプロジェクトを展開することで、夢を育み、幸せの種をまく活動を展開すめざしています。